健康管理システム導入事例集【後編】企業規模別・課題別で見る最適な選び方

はじめに

前編では、健康管理システムの6つの導入形態と、小規模企業1社、中小企業3社の導入事例をご紹介しました。後編では、中小企業の残り2事例、中堅・大企業の事例に加えて、「課題別の選び方」「よくある質問」をお届けします。

従業員50名未満の導入事例(続き)

前編でご紹介した事例2(B社)、事例3(C社)、事例4(F社)に続いて、残り2つの事例をご紹介します。

事例5:G社(介護業・約150名・③オンライン健康管理室ウェラボ+他社産業医連携)

企業プロフィール

G社は介護業で、従業員数約150名の中小企業です。嘱託産業医は選任されていましたが、訪問日以外の日常サポートが不足していると感じていました。担当者だけではサポートをしきれず、特に介護業特有の課題である、メンタル不調や腰痛への対応が追いついていませんでした。

導入前の課題
1. メンタル不調・腰痛で欠勤や離職が多い

介護業という仕事柄もあり、メンタル不調や腰痛で欠勤・離職する従業員が多く担当者の悩みの種でした。また、シフト制であるため欠勤が出ると現場が回らず、他の従業員の負担が増える悪循環でした。

2. 選任産業医の訪問日以外の対応が手薄

選任産業医の訪問は月1回程度。それ以外の日は健康管理サポートが手薄で、事業所内の専門職に相談をしようと思えばできましたが、なかなか踏み込んだ話はできず、また担当者の手も回らなかったため、従業員が気軽に相談できる環境がありませんでした。

3. 出勤していても本調子じゃない従業員が多い

出勤はしているものの、腰痛や睡眠不足、精神的な不調で、パフォーマンスが落ちている従業員が目立っていました。

導入の経緯

選任産業医はいるものの、ちょっとした相談を含めて日常のサポートが足りない。そこでG社は③オンライン健康管理室ウェラボ+他社産業医連携を選びました。日常の健康管理を充実させるだけではなく、介護業特有の課題(腰痛、メンタル不調)を理解してくれる相談窓口となり得ることが魅力でした。

導入後の変化
変化1:欠勤・離職の減少

メンタル不調や腰痛に対する予防策・早期対応で、欠勤・離職が減少しました。担当者からは「以前より欠勤が減った」「離職率が下がった」という実感があるというお話がありました。早めに相談してもらえることが奏功したと考えられています。

変化2:従業員の相談窓口ができた

従業員が健康面で困ったとき、気軽に相談できる窓口ができました。新入職者面談や役職者面談を行うことで顔の見える関係性も構築でき、従業員からだけではなく、上司や担当者から心配な部下や従業員の相談も増えました。

変化3:従業員のパフォーマンスが上がった

睡眠改善、腰痛予防、精神的なケアなどで、従業員のパフォーマンスが上がってきています。ちょっとした体操や健康動画も配布され、出勤していても本調子じゃない状態(プレゼンティーズム)も、少しずつ改善されています。

オンライン健康管理室ウェラボ+他社産業医連携を選んだ理由

選任産業医はいるものの、日常のサポートが足りない。特に介護業ならではの課題(腰痛、メンタル不調)を理解してくれる専門職と、日常的に相談できる窓口が欲しかった。選任産業医は月1回の訪問に集中し、日常サポートはオンライン健康管理室に任せることでの役割分担で、従業員が「ちょっと相談したい」と思ったときにすぐ相談できる環境をイメージすることができたことです。

事例6:H社(医療・介護・約120名・②オンライン健康管理室+嘱託産業医訪問)

企業プロフィール

H社は従業員数約200名の医療・介護業です。経営層が刷新されるなかで、これまでの健康管理体制に問題があることがあり、不十分だった健康管理を一から立て直すことになりました。

導入前の課題
1. 経営層が変わって、健康管理の不備が明らかに

新しい経営層になって見直したところ、健康管理が不十分であることが判明しました。前経営層では健康管理に力を入れておらず、法令遵守すらできていないことがわかり、迅速な対応を必要としました。

2. 自院内でのリソース不足

医療・介護業とはいえ、産業保健の体制を作るノウハウも人手もありません。「何から手をつければいい?」「どうやって法令守るの?」という状態でした。産業医の選任、衛生員委員会の立ち上げや職場巡視を実施する必要もありました。

導入の経緯

ゼロからの体制整備であったこと、迅速に体制整備を行い法令を遵守するために、オンライン健康管理室のような出来上がった仕組みを入れ、かつオンライン健康管理室の運営を理解している産業医が実際に訪問して現場を調整することが効率的であると考えられました。何から始めればいいかわからない状態から、一歩ずつ進められる。衛生委員会、職場巡視など基本から着実に整備できる。そのような形での専門職のサポートが必要でした。

導入後の変化
変化1:衛生委員会がちゃんと開催され、盛り上がりも

毎月1回、衛生委員会を正しく開催し、議事録も作成。それまで開催されていなかった衛生委員会が、産業医・保健師のサポートで定着してきました。また参加者が積極的に発言をするため、委員会が盛り上がりを見せてきています。

変化2:職場巡視で従業員の声を聞く仕組みができた

月1回の産業医訪問に合わせて職場巡視を実施し、従業員の声を取り上げる仕組みができました。「従業員の声を聞く」という基本的なことから始めています。人事担当者と現場担当者、産業医で巡視をするため現場の環境面での困りごとを拾い上げる仕組みが整い、時には思ってもいない困りごともでてくるようになってきました。

変化3:法令遵守の体制が整ってきた

衛生委員会や巡視の実施だけではなく、健康診断の実施・報告、ストレスチェックの実施・報告、特定健診の実施・報告も定期的に行われるようになりました。法令遵守の体制が着実に整いつつあります。「まずは法令守る」ことに力を置いており、ゼロからのスタートですが、一歩ずつ確実に前進しています。

オンライン健康管理室+産業医訪問を選んだ理由

H社はゼロからの体制整備が必要で、専門職の伴走が不可欠でした。産業医訪問で現場を実際に見てもらいながら、オンライン健康管理室で日常的なサポートを受ける。この組み合わせで、体制を一気に整えつつ、課題であるひとつずつ法令の遵守を達成することができそうなことをイメージすることができたからです。

【中堅企業】従業員300-1000名の導入事例

事例7:D社(医療業・約500名・①オンライン健康管理室ウェラボ単体)

企業プロフィール

D社は医療業で、従業員数約500名と大きいのですが他事業所展開(18施設で構成、全事業所が50名未満)をされていました。本部管理機能では最低限の対応をしていたため、各事業所で健康管理がバラバラな状況でした。

導入前の課題
1. 18施設の健康管理がバラバラ

18施設がそれぞれ独自ルールで健康管理。統一されたルールはなく、ノウハウの水平展開は困った時にのみ行われるような状態でした(蓋を開けてみると各事業所で同じようなことで困っていることもわかりました)。

2. 管理体制が不明確

すべての事業所が50人未満であり、産業医や保健師のような専門家は不在であったこと、医療職なので個人個人の健康管理は大丈夫だろうという考えもあり、健康管理の体制があるとは言えない状況でした。日常の体調に関しては相談はできたものの、メンタル不調などよりセンシティブな不調についてはなかなか内部の人材に相談することが難しく、誰にも相談ができないような状況もありました。

導入の経緯

D社が①オンライン健康管理室ウェラボ単体を選んだ決め手は、複数施設を一元管理できる点でした。同じ方法で、かつ自組織のリソースに左右されずにメンタル不調を含めた健康管理を統一した方法で行うことができることでした。

導入後の変化
変化1:18施設の健康管理状況がわかるように

18施設の健康管理状況をデジタル化し、また統一した方法で対応することができるようになりました。事例も共有されるため、同じような事例が発生した場合のサポートもし易くなりました。

変化2:復職中心の従業員支援ができるように

メンタル不調や病気療養から復職する従業員への支援が充実しました。18施設それぞれで様々な理由での休復職者が出ますが、オンライン健康管理室で全事業所共通の復職支援プログラムを提供。復職前の面談、復職後のフォローなど、きめ細かな支援ができています。

変化3:施設間で学び合う仕組みができた

半期に1回、オンライン健康管理室の取り組みを共有する報告会を開催しています。「他の事業所での状況や困りごとが把握でき、自事業所でもいかせることがわかった」など施設間の学び合いが生まれています。

オンライン健康管理室ウェラボを選んだ理由

D社の18施設はすべて50名未満なので、産業医選任義務はありませんでした。一方で組織全体としての従業員数は500名と多く、各事業所の健康管理が統一されていないことの非効率性が目立ってきていました。オンライン健康管理室で一元管理することで他事業所展開の課題を解決できると考えられたことが大きかったです。

【大企業】従業員1000名以上の導入事例

事例8:E社(建設資材・約2,000名・⑥システム単体+地域限定オンライン健康管理室ウェラボ)

企業プロフィール

E社は建設業で、従業員数約2,000名、71事業所を持つ大企業です。導入前から、50名超の事業所には嘱託産業医が在籍し、本社所属の産業医が小規模事業所にも対応していました。また、本社には保健師が週1回来訪。人事部長も経験豊富で、既存リソースはある程度整っていました。

導入前の課題
1.アナログ管理の限界

全国に散らばる71事業所の健康管理をアナログでおこなってきましたが、受診勧奨や書類の作成に大変な労力がかかっていました。健康情報をデータ化し、各事業所の健康状況を把握して、適切なサポートをしたいという担当者の思いがありました。

2. 地方事業所の健診後フォローが手薄

本社から遠い地方事業所では、どうしても健診後のフォローが手薄になっており、例えば要精検者への受診勧奨や産業医面談の調整が十分にはできていませんでした。

段階的導入のプロセス

最初の1年間は、システム単体で健診結果やストレスチェック結果をデータ化し、全社の健康状況を可視化することができました。1年運用して、「特に地方事業所の健診後サポートが足りない」という課題も明確になりました。本社保健師が全社的に対応していましたが、工数の問題もありどうしても地方の対応が手薄になっていました。

そこで、地方事業所に限定して、オンライン健康管理室を追加導入することとなりました。既存リソース(嘱託産業医+保健師)を活かしながら、地方事業所にはオンラインで対応。このようにすることで、本社と同等レベルか、対応時間帯だけで言えばそれ以上の手厚い対応ができる体制が整いました。

導入後の変化
変化1:担当者の負担が軽くなった

受診勧奨や面談調整の量が大幅に減りました。以前は人事担当者が全事業所の面談調整をしていましたが、オンライン健康管理室が地方事業所の面談調整を担当。これで負担が軽くなりました。

変化2:健診事後措置が全社で漏れなくできるように

全社で漏れなく健診事後措置ができるようになりました。地方事業所でも、本社と同じレベルのフォローが受けられます。

変化3:段階的導入でスムーズに運用開始

最初の1年間はシステム単体で運用し、全社の健康状況を可視化。その後、地方事業所の課題が明確になったタイミングでオンライン健康管理室を追加導入。段階的に進めたので、現場が混乱することなくスムーズに始められました。

システム+地域限定でオンライン健康管理室を選んだ理由

本社には既存リソース(嘱託産業医+保健師)があったので、この活用を継続しつつ地方事業所には専門職サポートが必要という判断でした。段階的に導入してリスクを抑え、1年運用して地方事業所の具体的な課題を見極めてから追加導入。結果、スムーズに運用を開始できました。

【課題別】最適な導入形態の選び方

ここまで8つの事例を企業規模別にご紹介してきました。ここでは、「自社の課題」から逆引きで探したい方向けに、4つの代表的な課題ごとに、おすすめの導入形態と該当事例をご紹介します。

課題①:2028年ストレスチェック義務化対応(小規模企業)

おすすめの導入形態

①オンライン健康管理室ウェラボ単体

おすすめの理由

2028年には全事業所でストレスチェックが義務化される見込みです。産業医の選任義務がない小規模企業(50名未満)にとって、ストレスチェックの実施はハードルが高い課題です。また、十分な費用対効果を出すためのリソースもないことがほとんどであると考えられます。

産業医選任義務がない小規模企業では、オンライン健康管理室が費用対効果が最も高いです。ストレスチェックの実施者・実務従事者をウェラボスタッフが担当し、高ストレス者面談、集団分析、報告会まで専門職が伴走します。もちろんストレスチェック以外の健康診断や長時間労働者への対応もお任せで、法令遵守を確実に実施できます。

該当事例

事例1(A社):建設業50名未満、法令遵守の体制整備。産業医・保健師不在で、専門職に丸ごとお任せ

課題②:健康経営優良法人認定取得・データ可視化

おすすめの導入形態

⑤システム単体+健診事後措置 または ①オンライン健康管理室ウェラボ単体

おすすめの理由

健康経営を推進し、健康経営優良法人認定を取得するには、受診率、事後措置完了率、喫煙率、食習慣、運動習慣等の様々な健康データを集計・可視化する必要があります。

嘱託産業医が在籍していて機能している場合は、⑤システム単体+健診事後措置(オンライン健康管理室で受診勧奨や面談)として、担当者負担を減らしつつ手厚いサポートをするのが良いでしょう。産業医の選任が必要のない場合には健診事後措置まで含めてサポートが必要な場合は、①オンライン健康管理室を選択します。

該当事例

事例2(B社):卸売業250名、嘱託産業医在籍。システム+健診事後措置でデータ整備

事例1(A社):建設業50名未満、産業医選任義務なし。オンライン健康管理室で健康優良企業認定取得へ

課題③:複数拠点・施設の統一管理

おすすめの導入形態

①オンライン健康管理室ウェラボ単体 または ⑥システム単体+地域限定オンライン健康管理室ウェラボ

おすすめの理由

複数拠点・施設がある企業では、各拠点でバラバラに健康管理が行われていることが多く、本部が全体像を把握できないという課題があります。

全施設が50名未満なら、①オンライン健康管理室単体で全施設を統一管理できます。一部の事業所のみ産業医選任義務があるようでしたら、その事業所には産業医訪問を追加していくことも可能です。大規模組織で本社に既存リソースがある場合など事業所によって体制やリソースに差がある場合は、⑥システム単体+地域限定オンラインで、本社は既存活用、地方はサポートという形が効率的です。

該当事例

事例7(D社):医療業500名、18施設の統一管理。医療職でも個人の健康管理だけでは限界があった

事例8(E社):建設資材2,000名、71事業所の一元管理。アナログ管理からデジタル化へ

課題④:既存産業医の実務サポート

おすすめの導入形態

③オンライン健康管理室+他社産業医連携

おすすめの理由

選任産業医や嘱託産業医がいても、日常の実務が回っていないという企業は少なくありません。産業医は専門的な判断を行う役割ですが、健診事後措置の調整やストレスチェックの実務は別のスキルが必要です。

オンライン健康管理室を導入すれば、産業医は専門的判断に専念し、実務はオンライン健康管理室が担当するという役割分担ができます。

該当事例

事例4(F社):医療業150名、選任産業医と役割分担。オンライン健康管理室が実務を担当

事例5(G社):介護業150名、嘱託産業医と役割分担。オンライン健康管理室が日常の健康相談窓口に。

よくあるご質問(FAQ)

健康管理システム導入を検討する際によく寄せられる質問にお答えします。

A: 主な違いは「誰が運用するか」です

システム単体は、健康診断結果やストレスチェック結果を「データ化・管理」する機能が中心です。人事担当者や産業保健職がシステムを使って、自社のリソースで健康管理を行います。

オンライン健康管理室は、産業医・保健師が「実務を代行・サポート」します。健診事後措置、ストレスチェック、面談等を専門職が実施します。

◎どちらを選ぶべきか

人事部門にリソースがある企業:システム単体

人事部門に専任または兼任のスタッフがおり、システムを使って自社で運用できる場合は、システム単体で十分なこともあります。ただし、状況によっては健診事後措置など一部の業務は外部サポートを受ける方が効率的です。

産業保健の専門知識がない企業:オンライン健康管理室

産業医・保健師が不在で、専門知識がない場合は、オンライン健康管理室で専門職に任せる方が安心です。特に、2028年ストレスチェック義務化に対応する小規模企業には、オンライン健康管理室がおすすめです。

A: 従業員規模と産業医の機能状況によって判断します

前提知識:産業医選任義務について

まず、法令上の義務を確認しましょう。

  • 従業員50名以上の事業所:産業医の選任義務があります(労働安全衛生法第13条)
  • 従業員50名未満の事業所:産業医の選任義務はありません

つまり、50名以上の企業では産業医訪問は法令上必須です。その上で、「オンライン健康管理室を追加するか」を判断することになります。

50名以上の企業:産業医がいる場合にオンライン健康管理室を追加するメリット

産業医は既にいるが、以下のような課題がある場合は、オンライン健康管理室の追加が有効です。

訪問日以外の日常サポートが手薄な場合(事例5:G社、事例4:F社)

嘱託産業医の訪問は業種・従業員規模によっても異なりますが月1回程度が一般的です。それ以外の日は健康管理サポートが手薄になりがちです。オンライン健康管理室を追加すれば、従業員が「ちょっと相談したい」と思ったときにすぐ相談できる環境ができます。

健診事後措置やストレスチェックの実務が回っていない場合(事例4:F社)

産業医は専門的な判断を行う役割ですが、健診事後措置の調整やストレスチェックの実務は別のスキルです。オンライン健康管理室が実務を担当することで、産業医は専門的判断に専念できます。

さらに質の高い健康経営を目指す場合(事例3:C社)

ブライト500を取得済みでも、さらに上のレベルを目指す場合、産業医訪問(対面での専門性)とオンライン健康管理室(日常的な機動力)の両方を活用することで、より手厚い支援が実現できます。

ゼロからの体制整備で専門職の伴走が必要な場合(事例6:H社)

法令遵守すらできていない状態から始める場合、産業医訪問で現場を見ながら、オンライン健康管理室で日常的なサポートを受けることで、着実に体制を整備できます。H社では衛生委員会も盛り上がってきています。

50名未満の企業:産業医なしでオンラインのみも可能

産業医選任義務がないため、オンラインのみで十分(事例1:A社)

50名未満の小規模企業では、産業医選任義務がありません。オンライン健康管理室のみで、産業医・保健師のサポートを受けることができます。費用対効果を考えると、オンラインのみで始めるのが現実的です。

複数拠点・施設が全て50名未満の場合(事例7:D社)

D社のように18施設あっても全て50名未満なら、産業医選任義務はありません。オンライン健康管理室なら、全施設に均一なサポートを提供できます。全施設に産業医が訪問するのは非効率でコストもかかります。

段階的アプローチも可能

50名以上の企業でも、まずは産業医のみで始めて、運用しながら「日常サポートが必要だ」と感じたらオンライン健康管理室を追加するという段階的アプローチも有効です。

A: 企業規模や課題によって異なりますが、例えば以下のような効果が報告されています

定量的効果

業務時間削減

事例8(E社)では、面談調整の量が減少し、担当者の負担が軽減されました。健診事後措置が効率化され、人事担当者が他の業務に時間を使えるようになりました。

受診率向上

事例2(B社)では、データ可視化により精密検査受診率が測定できるようになりました。導入前は受診率すら把握できていませんでしたが、システム導入後は数値で管理できるようになり、改善につながっています。

定性的効果

健康優良企業認定・健康経営優良法人認定取得

事例1(A社)では、導入から約1年で健康優良企業(銀の認定)を取得し、2025年には健康経営優良法人申請を予定しています。認定取得により、企業イメージや採用力が向上します。

メンタル不調対応の改善

事例7(D社)では、18施設で統一された復職支援プログラムを実施し、復職者へのきめ細かなサポートが可能になりました。復職支援が充実することで、組織が安定してきています。

欠勤・離職の減少

事例5(G社)では、早めの相談や手厚い休復職前後でのサポートで、欠勤・離職が減少しました。担当者からは「以前より欠勤が減った」「離職率が下がった」という実感の声がありました。

従業員の健康意識向上

事例1(A社)では、10kg減量した従業員が全社朝礼でプレゼンしたことで、社内の健康意識が一気に高まりました。このような「成功体験の共有」は、数値では測れない大きな効果です。

投資回収の考え方

健康経営は「コスト」ではなく「投資」です。短期的には費用がかかりますが、以下のような長期的効果により、投資は回収されます。

  • 離職率低下:採用・教育コストの削減
  • プレゼンティーズム改善:従業員のパフォーマンス向上による売上増
  • 健康経営優良法人認定取得:企業イメージ向上、採用力強化

具体的な数値は企業によって異なりますが、多くの企業が「導入してよかった」と評価しています。

A: リスクを抑えながら、本当に必要な機能を見極められます

事例8(E社)では、最初の1年間はシステム単体で健診結果やストレスチェック結果をデータ化し、全社の健康状況を可視化しました。

1年運用して、「特に地方事業所の健診後サポートが足りない」という課題が明確になりました。本社保健師が全社的に対応していましたが、工数の問題もあり、どうしても地方の対応が手薄になっていました。

そこで、地方事業所に限定して、オンライン健康管理室を追加導入しました。既存リソース(嘱託産業医+保健師)を活かしながら、地方事業所にはオンラインで対応することにしました。

段階的導入のメリット

  • リスク最小化:いきなり全社導入せず、まず一部で試すことができます
  • 課題の明確化:運用してみて初めてわかる課題を見極められます
  • 現場の混乱を防ぐ:段階的に進めることで、現場の混乱を最小限にすることができます
  • 予算の分散:初期投資を抑え、必要に応じて追加できます

大規模組織や、初めて健康管理システムを導入する企業には、段階的アプローチを検討してみることも一手と言えます。

おわりに

本記事では、実際の導入事例8社を通じて、企業規模・課題別の健康管理システムの選び方をご紹介しました。

前編・後編を通じて、小規模企業から大企業まで、建設業から医療・介護業まで多様な事例をご覧いただきました。「自社に近い事例」を参考に、最適な健康管理システム・オンライン健康管理室を選択し、従業員の健康を守る体制を整えていただければ幸いです。

健康管理システムの導入は、従業員の健康を守るだけでなく、企業価値の向上、採用力強化、生産性向上にもつながります。2028年の小規模事業所ストレスチェック義務化に向けて、今から準備を始めることをおすすめします。

ご不明な点やご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆・監修
WellaboSWP編集チーム

「機能する産業保健の提供」をコンセプトとして、健康管理、健康経営を一気通貫して支えてきたメディヴァ保健事業部産業保健チームの経験やノウハウをご紹介している。WellaboSWP編集チームは、主にコンサルタントと産業医・保健師などの専門職で構成されている。株式会社メディヴァの健康経営推進チームに参画している者も所属している。

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公開日:2025/12/12