健康経営優良法人2026(大規模法人部門)認定結果と次年度の注目動向

2026年3月17日、経済産業省にて第5回健康経営推進検討会が開催されました。今年度の認定結果の報告に加え、健康経営銘柄の新たな顕彰制度の創設、来年度の制度設計に向けた議論が行われています。本記事ではその内容を大規模法人の担当者向けに整理します。

なお、今年度の健康経営度調査(令和7年度)の変更点については別記事で、調査結果の振り返りについてはこちらで解説していますので、本記事では今回の検討会での議論を中心にお伝えします。

今年度の認定結果

健康経営優良法人2026(大規模法人部門)は4,175法人が認定されました(前年度比+385件、約11%増)。うち上位500法人がホワイト500、東証上場企業かつ評価上位500位以内の企業が健康経営銘柄2026として28業種44社選定されています。

健康経営度調査の回答企業数は東証上場企業の約3割にあたります。制度開始から12年が経過し、大規模法人における一定の普及は続いています。

出典:第5回 健康経営推進検討会 事務局資料 (今年度の認定状況と今後の方向性について)2026年3月17日 経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課

健康経営銘柄Premierの創設

今回の検討会で正式に決定したのが「健康経営銘柄Premier(プレミア)」の創設です。健康経営銘柄に長年継続して選定されてきた企業を新たに顕彰するもので、以下の3要件をすべて満たした企業が対象となります。

制度の概要(案)は以下となります。

  1. 健康経営銘柄に通算して10回以上選定されていること
  2. 当該年(2026年)に健康経営銘柄に選定されていること
  3. 地域住民を含む地域や取引先企業等のサプライチェーンに対し、健康経営の普及活動を行っていること

選定された企業には専用ロゴが付与され、取り組みに関する動画の公開や講演機会の優先案内といった形で対外発信が行われます。称号はホワイト500の認定が継続している限り保有できます。健康経営銘柄は東証上場企業を対象とした制度であり、健康経営銘柄Premierも同様です。

注目されている課題:経営会議での議論は広がったが、効果検証の報告はまだ5割

第4回健康経営推進検討会(2025年12月)で共有された令和6年度調査の結果によると、経営レベルの会議で健康経営を議題にしている企業は全体の78.5%にのぼります。

ただし、その中身を見ると課題も見えています。決定事項としては「推進方針・目標・KGIの設定」が約78%、「具体的な推進計画」が約74%と高い水準である一方、報告事項として「KGI/KPIの達成状況」を経営会議に上げている企業は57%、「施策の進捗や費用対効果」は54%にとどまっています。

計画は立てているが、効果を経営層に報告する仕組みがまだ整っていない企業が相当数いることがわかります。今年度の調査(Q23)でこの点がより具体的に問われるようになったこととあわせて、報告内容の整理は担当者にとって引き続き課題と言えます。筆者としては戦略マップをより有効活用できるようにすると経営会議でも報告しやすくなるのではないかなと考えています。

出典:令和7年度 健康経営度調査/健康経営優良法人認定申請等の状況のご報告 健康経営優良法人認定事務局(日本経済新聞社)

企業価値向上に資するテーマ別評価の検討

第5回検討会の議題のひとつが、健康経営度調査の総合評価とは別に、特定テーマに優れた取り組みをする企業を評価・表彰する仕組みの検討です。前回の検討会に続いて議論が行われましたが、有識者からはさまざまな意見が出ており、具体的な制度設計はまだ検討段階です。

「テーマ別の取り組み事例の共有機会や認定制度があると健康経営の推進に弾みがつく」という声がある一方、「テーマを固定すると本質的な取り組みが見えなくなる」「健康経営の総合的な評価を土台とした上でテーマ別評価を考えるべき」という慎重な意見も出ています。今後の検討会で引き続き議論される見通しです。

来年度の調査:ライフデザイン経営のアンケート追加が検討中

来年度の大規模法人部門の健康経営度調査票に、「ライフデザイン経営」に関するアンケート項目を新設することが第5回検討会で提案されました。

ライフデザイン経営とは、社員がキャリアとライフを両立できる環境を整備することで人材の能力を最大限に引き出し、企業価値向上につなげる経営のあり方です。経済産業省の調査では、ライフデザイン支援に取り組む企業ほど従業員エンゲージメントが高く、離職率も低い傾向が示されています。

ただしこれは認定要件への追加ではなく、実態把握を目的とした調査票へのアンケート追加の検討段階です。「ライフデザイン経営について知っていますか」「関連する取り組みを実施していますか」といった形式の設問案が示されています。将来的には認定評価項目となる可能性もありますので今から押さえておくのも良いと思います。

概念の詳細や健康経営との関係については別記事で取り上げます。

執筆・監修
WellaboSWP編集チーム

「機能する産業保健の提供」をコンセプトとして、健康管理、健康経営を一気通貫して支えてきたメディヴァ保健事業部産業保健チームの経験やノウハウをご紹介している。WellaboSWP編集チームは、主にコンサルタントと産業医・保健師などの専門職で構成されている。株式会社メディヴァの健康経営推進チームに参画している者も所属している。

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公開日:2026/03/19